トップページに戻る
  少年リスト   映画リスト(邦題順)   映画リスト(国別・原題)  映画リスト(年代順)

An Angel for May (TV)
    タイムトラベラー/戦場に舞い降りた少年

イギリス映画 (2002)

13才のマシュー・ビアード(Matthew Beard)が主演する、「偶然のタイムスリップ」を利用して少女の運命を変える心温まるTV映画。邦題が適切だとは全く思わない。原題通り『メイの天使』の方がはるかに優れている。それが映画のキーワードでもあり、劇中使われる重要な言葉だからだ。タイムトラベラーのような安っぽい題を付けることは作品への冒涜である。冒頭「偶然の」と書いたように、主人公はタイムトラベルをする積りも、している積りも全くない。テスという犬と、サム・ウィーラー農場の暖炉と、雷という3つが重なりあった時に偶発的に起きるという特異な現象という設定なのだ。だから、2002年にいると思っている少年が、いきなり1941年に飛ばされても、本人にはその自覚は全くない。戸惑いが不安に変わり、現実を認識した際の「戻れるだろうか」という怖れ、それが最初から「タイムトラベラー」のような種明かしを題名につけておいたら、興醒めもいいところだ。それに日本版DVDは3:4のTVサイズ。オリジナルが16:9なので変えるべきではなかった。

舞台は、現在(2002年)と第二次大戦下のヨークシャーに分かれて進行する。前者に属するのが主人公のトム(Matthew Beard)と母、それに母との再婚を望んでいる学校の教師、気の変な老婆ロージー、後者に属するのが農場主サム・ウィーラー(Tom Wilkinson)とその娘アリソン、その庇護下にある少女メイ、再婚を望んでいる通いの家政婦ヒギンズ。トムは、心ならず過去に飛ばされそこでトラウマに苦しむ戦争孤児メイと会う。トムは、最初は自分がどうなったか信じられないが、過去に来てしまったと悟ると、母を責めたことを悔い帰りたくなる。しかし、一旦運よく現在に戻れると、ウィーラー家が爆撃で死にメイが孤児として悲惨な目に遭うことが判明し、爆撃を知らせようと、もう一度過去に戻る。しかし、戻った時はもう爆弾が落ちた後だった。過去に戻る直前に“現在”のメイの姿を知ってしまったトムは、メイに一緒に“未来”へ行こうと頼むが拒否されてしまう。そして、落雷で昏倒し、一人現在に戻ったトムを待ち受けていたのは…。超現実的な設定さえ受け入れられれば、よく練られたシナリオに感動させられる。

マシュー・ビアードは、最初は生意気な現代っ子という感じだが、サム・ウィーラーという人物に触れ、メイと交流することで、とても気持ちのいい少年に変身していく(というか、元の自分を取り戻す)。憂いを含んだ顔がとても魅力的な、いかにもイギリス的な少年だ。


あらすじ

トムは、母が、自分の気持ちを無視して父と別居し、自分の学校の先生ボブと付き合っているのが許せない。もちろん、相手の先生も大嫌いだ。父のいるロンドンにヒッチハイクで行こうとして警察に保護される。母が、今後のことを説明しようとしても、剣もほろろだ。ある日、母とボブと3人でふて腐れて車に乗っていると、道路端に犬がいる。「車 止めて!」 と急停止させ、見に行くが何もいない。ただ、そのことが頭を離れず、イライラのつのった日、犬のいた小径の入口から丘へと登って行く。牧場の石垣を超えて、時々雷鳴が響く中、正面に見えた廃墟まで行ってみる。そこには一匹の牝犬がいた。暖炉の跡に座って犬をあやしていると、雷が鳴った瞬間、暖炉の奥から人影と声が聞こえる。幻想かと呆然とするが、気付くと犬がいなくなっている。その日は、気にしながら家路につく。家では、待ち構えていた母が、「話したい事があるの」と言い出す。「大切な話なの」「私達、昨日話すつもりだったんだけど」。「私たち?」とトム。「ボブとママよ」「お互いに すごく好きなの」「だから、結婚するのはいい考えだと」。「パパ、どうなるの?」。「離婚を 申請したわ」。「パパが 反対したら?」。「パパが 出て行ったのよ」。「ママが怒鳴るから、出て行ったんだ」。母は、さらに続ける。「辛いのは分かるわ。でも、良くなる。約束する」。トム:「良くなるのは、ママとボブだけ」。「違う、3人全員よ」。「大嫌いだ」。母には大ショックの言葉だ。「トム、本気じゃないでしょ?」。「本気だよ」。そして、トムは一晩悶々とし、翌日再び廃墟に向かった。
  
  

今日も、時々雷鳴が轟いている。廃墟の中の暖炉の跡には、昨日の犬がまたいる。「やあ、お嬢ちゃん。何も怖くないよ。ただの雷だ」と頭を撫でてやる。その時、犬がトムの方に乗りかかってきた。すると、堅いはずの煉瓦の壁を通り抜けて壁の向こうに投げ出されてしまう。振り返って見ると、通り抜けてきた煉瓦壁は揺らいで見え、手が中に入っていく。しかし、すぐに揺らぎは収まり、手も入らなくなった。辺りは一面泥だらけで、見たこともないの農家が建っている。ぼさぼさ頭の少女が寄ってきて、たたみかけるように話す。家に入ると見知らぬ男に泥棒呼ばわりだ。トムは、家に帰りたい一心で、町に向かって走り出した。
  
  

しかし、町の様子は、さっき来たばかりなのに、全く違っていた。人々の奇妙な服装、そして、散乱する瓦礫の山。連なる軍用トラック。ものものしい雰囲気だ。不安に怯えつつ自分の家まで辿り着くと、そこには何もなかった! 「そんな… 僕の家がない」(2枚目の写真)。まさに、衝撃以外の何物でもない。ところが、着ている服を怪しまれ、自警少年団に捕まりドイツのスパイ扱いされてリンチされかかる。必死で逃げ出し、追っ手をまいた後、怪しまれないように服を盗もうとして警官に取り押さえられる。その時、ぼさぼさ頭の少女が牛乳ビンを投げつけ助けてくれた。何度も走ったので喘息の発作が起きかけたのも、呼吸方法を教えて助けてくれた。「名前は?」。「トム」。「私、メイ」「行きましょ、トム」。メイに付いて、丘を登る。途中、飛行機から爆撃を受ける。もし、これが夢でないのなら、自分は第二次大戦の最中にいる! 農夫が、心配して迎えに来た。トムのことを、「行き場がないの。泊めてあげて。お友だちなの」と頼むメイ。農夫は驚いて承知する。驚いたのは、メイが戦争孤児で、トラウマによる自閉症で、誰も寄せ付けなかったからだ。
  
  

トムを家に入れてやり(メイは、決して家に入らない)、話しかける農夫。「名前は、トムか?」。「そうだよ」。「そうか。わしはサム・ウィーラー」。今朝、農場で何をしてたかと訊かれ、トムは、「なぜ来たのか分からないし、ここに、いるべきじゃない」と答える。「疎開者か?」と訊かれ、答えようもないので、「ええ… そうです」。「ママとパパは?」。「2人は… その…」。「亡くなった?」。「ええ、いなくなった」と答える。この時代にはいないから嘘ではない。「それは気の毒に」。メイが好いているし、父母もいないのなら面倒を見てやろうという気になり、サムは、「ほら、食べて」とハムを一切れ、渡してやる。一口かじって顔をしかめるトム(1枚目の写真)。「このハム…」。「何だ? わしの手製だが」。「これ… 豚の味が」。「どんな味を 期待してた?」とサム(2枚目の写真)。笑うポイントの少ないこの映画で一番笑える一コマ。スーパーで売っているハムの方がトムには合っていたのだ。
  
  

食事の後、メイはトムに、「一緒に 犬小屋で寝ましょ」と誘う。犬小屋なんかに、と嫌がるトムに、サムは「犬小屋に寝た事は?」「何事にも最初がある」と無理にOKさせる。翌朝起きると、メイはもういない。呼ばれたので、納屋に入って行く。床は、牛の糞でドロドロ。何頭か乳牛がいる。「乳搾りの経験は?」と訊かれ、「ないよ」。「簡単よ。教えてあげる」。「やりたくない」。「どうして? 楽しいわ」。サムが来て、「乳搾りをやらんと、朝飯なしだ」と言い、「まあ、飲め」と搾り立ての生乳入りのカップを渡す(1枚目の写真)。必死で飲むトム。トムが寒そうなのを見て、着る物を探してやるようメイに言いつける。しぶしぶ家に入っていき、服を出してやり、すぐに外に出て行く。メイは、ロンドンの空襲で長時間瓦礫の中に放置されていたため、家の中にいたくないのだ。そして、メイが農場に連れて来られてから最初に心を開いたのが犬のテス、その次がトムだった。暖かい服を着たトムに乳搾りのやり方を教えるメイ。「数週間で上手くなるから」と慰める。トムは、家に帰るから何週間もいないと答える。父母を亡くしたから家はないはずだと言うメイに、「あるよ。だけど… うんと遠いんだ」。「マンチェスターくらい?」。「もっと遠い。だけど… 近いような…」。「遠くて近いって、どういうこと?」。「分からない」。
  
  

自分の世界から引き離され、戻れる見込みもないことにトムは絶望する。自分が出てきた煉瓦の壁に寄りかかって泣くトム。そんなトムを見てサムは慰める。「大丈夫か?」。「家に帰りたいだけ」「ママに会えない」「僕、ママにひどいことを言っちゃった」。トムの頭には、あの「大嫌いだ」という言葉が去来していたのだ。サムは、「わしだって同じだ」「過去に戻り、悪い行いを取り消せたら、と思う」と慰めてやる。
  
  

朝食の時間。娘のアリソンと、通いの家政婦のスーザンがもう来ている。サムがトムを紹介する。「トム、こちらがスーザン」「家事を 手伝ってくれてる」。そして、「スーザン、こちらトム」「彼は… メイの天使かな」と言って笑う(1枚目の写真)。映画の原題である。メイに対するトムの位置付けが、これでよく分かる。ここで娘が入って来る。「アリソン。この子はトム」「トム。こちら、アリソン」。アリソンが、「メイ、一緒に朝食を」「お友達が 寂しがってるわ」と呼びかけると、これまで一度も中で食事をしようとしなかったメイが、入ってきて、手づかみで食べ始めた。「こんな日が 来るなんて」と驚くスーザン。食前の祈りで、サムは、「メイが初めて台所で食事をしています」「そして、トムもいます」「彼を、友達として遣わされたのは、素晴らしいお考えです」と神に感謝する。
  
  

翌日は、メイが町の医者の診察を受け、このまま農場に留まれるか入院させられるかを決める重要な日だ。メイに同情し、何とか普通に振舞って欲しいと願うトム。メイがぶら下がるタイヤ・ブランコを押しつつ、行儀に気を付けて町に行くように頼む。「行かない」。「メイ、頼むよ」。「イヤ」。「ウィーラーさんが 寂しがるよ」。「行ってもいいわ。あなたが、いてくれるなら」。「でも…」。「行きたくない」。「メイ…」。「行って、お行儀も良くする。あなたが、いてくれるなら」。トムは仕方なく、「いいよ。ここにいる」と嘘を付く(1枚目の写真)。その夜は、行儀の練習だ、食卓に着いて、手づかみでなくナイフとフォークで食事をする練習。すべて上手くいき、翌日の検査もパス。大喜びするメイとトム。夜は全員でダンスをした。ダンスをしながら、メイの腕を見て、「腕のこぶは 何?」と訊くトム。「あまり 見ないで」。「ごめん」。「折れた腕の、処置が下手だったって」。「痛い?」。「もう痛くない。変な風に見える?」。「全然、気付かないよ」。トムは優しい少年なのだ。
  
  

しかし、その夜、トムは、無性に家に帰りたくなり、暖炉の中に入り、「お願い、家に行きたいんだ」と泣いてしまう。目を覚ましたメイが、「(暖炉の中で)何してるの?」と訊くと、「家に戻ろうと…」とトム。メイが、「言ったじゃない、ここにいるって」と言うと、「嘘ついた」と正直に言い、さらに「僕が来た所では、戦争とかすべてのことが、もう終わってる。歴史なんだ。僕が生まれるのは50年後。僕、ここの人間じゃない」と説明する。そして、暖炉から来たが、どうやって来たのかは分からないとも話す。朝になり、犬のテスに顔を舐められて目覚めるトム。犬が暖炉に入り、雷鳴が聞こえる。直感で「今だ」と悟るトム。着替えて、寝ているメイに、「さよなら、メイ」「君はもう大丈夫」と囁く。朝の準備で入ってきたサムに、「じゃあ行くのか?」「変な旅だな」と言われ、犬を返すと約束し、「さよなら、ウィーラーさん」。「ああ、さようなら」。そして意外な言葉をかけられた。「ありがとう」。「でも、僕 何もしてない」。「一杯してくれた」。
  
  

暖炉をくぐり抜けた先は、“現代” の廃墟だった。トムは、壁に触れて優しく、「さよなら、メイ」と語りかけると、町に向かって走り出した。すぐにパトカーに見つかり、丸3日間姿を消していたため、警察の聴取を受けることに(1枚目の写真)。帰宅後も母から質問攻め。本当のことを話すが、誰にも信じてもらえない。同行してきた婦警は、「想像力の豊かな子ね」。しかし、帰ってきたことに気を良くした母が、「夕食には、何でも好きなものを」と訊くと、トムは思わず「ハム」(2枚目の写真)。食べ慣れたスーパーのハムが食べたくなったのだ。サムの臭いハムと対になるシーンだ。
  
  

トムは、通いのお婆さんから、サム・ウィーラーという人物が実在したことを知る。そして爆撃で死亡したことも。そして、家事の女性がまだ生きていて老人ホームにいることも聞き出す。さっそく学校を抜け出して会いに行くトム。トムを見て仰天する車椅子のスーザン。「肉体がある… 本物の少年だわ。あり得ない。あの頃から、全然 変わってないわ」。メイのその後を訊かれ、サムと、サムの娘のアリソンが爆撃で死んだため、再び孤児になり、病院に監禁され、薬漬けにされ、廃人となったと話す。トムは、何かできるかも、と爆撃の日を訊く。当然記憶にないが、「サムと婚約していたのは5日間だけ」という言葉から、間に合うことが分かる。「戻るまで、まだ2日余裕がある」。「戻るなんて出来ないわ。過去は、過去なのよ」。ボブに連れられてやって来た教会の墓地。サム・ウィーラーの墓碑には、サムが1941年3月28日、アリソンがその2日後の30日に死亡したと刻まれていた。
  
  

過去に戻るためには雷が鳴らないといけない。そうしないと、2つの時代をつなぐテスが、こちら側に来られないからだ。空を見ながら焦るトム。もうぎりぎりだ。そんな時、雷が鳴り出した。外に出ようと必死になる。しかし、母は、「おかしな真似、止めたら?」「思い通りになったんだから」と言い出す。「思い通りって?」。そして、トムが家出したので再婚を断念した、と打ち明ける。しかし、トムは気もそぞろだ。だから、母の決断にも、「結婚したら?」とすげなく言い返し、「僕を農場に行かせてよ」「今なら、まだ命を救える」と迫る。バカにされたと感じ、怒って部屋に閉じ込める母。トムはイスで窓を割ろうとする。「何するの?」「今やってること、そんなに重要な事なの?」。トムの必死の表情(2枚目の写真)に母も納得する。
  
  

母は、車で廃墟への入口まで送り、喘息持ちのトムに、「念のため、持って行って」と吸入器を渡す(1枚目の写真)。トムが廃墟に着くと、そこには犬のテスと一緒に、頭の変な老婆ロージーもいた。「ここで 何してるの? いちゃダメだよ。こんな天気の日に」。「私の犬よ」。「あなたの犬じゃない」。「ここにいて、テス。とっても 会いたかった」。「そんな… まさか…」。トムが老婆の腕をまくると、そこには “メイと同じこぶ” があった。すべてを悟るトム。メイは、廃人にされ、こんな変わり果てた姿になっていたのだ。「僕が分かる? ぜんぜん 覚えてない? トムだよ。友だちの。何、されたの? 可哀想に」。そして、メイをこんな風にさせまいと、暖炉をくぐり抜けて過去へ。
  
  

しかし、出た先は爆撃後の廃墟だった。間に合わなかったのだ。トムは絶望するが、メイを連れて帰ろうと、犬と一緒に町へ走る。そして、アリソンが重体で入院している病院のそばで、メイと会うことができた。メイは、トムを病院に連れ込む。苦しそうに息をするアリソンを見て、メイは、「トム、彼女 死んじゃう! トム、助けてあげて!」と叫ぶ。トムは自分の吸入器に気が付く。そして、アリソンの口に射し込み、「これを使えば、楽になるよ。しっかり 吸い込んで」と声をかける。そこに看護婦の邪魔が入り、トムは雷鳴の続くうちに現代に戻ろうと、メイを連れて廃墟に向かう。いつもの石垣の上で、2度と見ないであろう戦時下の町を見納めるトム。
  
  

トムは、墓碑銘から爆撃の2日後にアリソンが亡くなることを知っていた。そして、アリソンが死ねば、メイが最後は廃人になることも。だからトムは、必死にメイを説得する。「君も一緒に来なければ、何年も何年も閉じ込められる。最悪の一生なんだよ」「来るんだ、僕の世界に。そしたら、すべてが変わる」。しかし、メイは、「私、あなたの世界の人間じゃない」と拒否する。その時、雷が廃屋の屋根に落ち、落下した板が額を直撃してトムは昏倒する。目が覚めると、そこは “現代” の病院だった。結局、メイを助けることはできなかった。
  
  

ケガが治ると、トムは老婆ロージーを探し廻る。しかし、そのような人物は何故か存在した痕跡すらない。教会の墓地を訪れると、墓碑のアリソンの死亡年が1941年から、1992年に変わっていた(アリソンは、トムの吸入器のお陰で助かったのだ)。墓碑の刻字に戸惑うトム。そこに、アメリカから墓参に来た “別の人生を辿った” メイが現れた。「メイ、僕だよ」「トムだよ、メイ」「トム、覚えてない?」。メイは、「すぐに分かったわ」「でも、彼の孫だろうって、自分に言い聞かせたの」。「ううん、僕だよ」。喜びを分かち合う二人。「半世紀も経つと、今では、すごいお婆さんね」。「素敵だよ。ホント、信じて」。「ありがとう」。トムはメイに対しては、いつも優しい少年なのだ。事後談になるが、トムは、ママとボブの結婚にOKし、犬を飼った。
  
  
  

     M の先頭に戻る                    の先頭に戻る
     イギリス の先頭に戻る               2000年代前半 の先頭に戻る

ページの先頭へ